建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、九州大学藤原惠洋(ふじはらけいよう)名誉教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!
8月27日のことです。まだまだ残暑厳しい葉月最後の週のはじまり、
朝から嬉しいことがありました。

ひまわりプロジェクトで交流が深まった画像設計学科カタヤマ画伯も喜
ぶような、濃い黄色の花を咲かせたひまわり5輪が、書叢の巣窟と化し
たわが研究室に飾られました。部屋の中に、たっぷり陽光を導くような
ひまわりの反射効果を感じないではいられませぬ。

そんな瑞々しい空気の中で、次々と前期の授業・演習の資料を整理して
いきました。

どうか卒論生・院生諸君も、これまでのフィールドワークの成果をかた
つづくっていくことをたいせつにしてください。宮本常一先生曰く、
『記憶されたものだけが記録される』の言説が教えるものはフィールド
ワークやエスノグラフィー作業の鉄則でもあります。私たちは、どこへ
行き、何をたずね、誰と会い、何をみて、何を聞いて、何を知り、何を
学んできたのでしょうか。そんな愛情溢れた成果を、ぜひともとつとつ
とエスノグラフィカルな文脈として蘇らせてみてください。


さて今日の午後1時半からの定例ゼミは、修士1年李俊さんの姫島・盆
踊りレポートでした。先週は、博士2年李粉善さんの韓国・江陵におけ
る端午節における布の役割に関する調査研究報告でしたが、こうした困
難辛苦を越えながらの自主的主体的な現地調査研究がようよう創出され
出していることは私の研究室にとってもたいせつなことです。李俊さん
もお盆の交通渋滞に遭遇しながらの8月15日16日の国東半島と姫島
を巡る現地調査でしたが、姫島の盆坪を有す6つの集落すべてを訪ね
て、ユニークな仮装盆踊りを創出してきた各区の様相を見てきた成果は
貴重なものとなっていました。今後、修士論文研究に向けて、こうした
年中行事が果たす紐帯としての意義や役割を相対的に調査分析していっ
てもらいたいと思いました。

同じ修士1年李成倫君は、9月4日より中国四川省・成都に旅立ちま
す。成長しつつある成都ビエンナーレ展に日本人作家として初めて招聘
された片山先生の助手として事務通訳や作品設置を行なうためにです。

遅れて9月17日には、学生諸君が李成倫君と大連で合流し、中国東北
部の文化資源調査を敢行します。

また、11月後半には、上海市に現存する旧英国領事館調査を行なう予
定です。下関市旧英国領事館の第2回ワーキングを10月13日(土)
に開会しますが、一連の市民参加型活用検討ワーキングは全国的にも重
要なワークショップとなっていますので、我と思わん研究室スタッフは
参加願います。その延長上で、上海調査を実施する計画です。

途中、九芸工大名誉教授の由良滋先生が訪問されました。20年ほど前
の退官事業時に有名な『参加の意匠』を発表された先生でもあります。
あるいは福岡市内西鉄バスのバス停デザインや市街地のクロガネモチ街
路樹の選定などに貢献されてきました。ひとときゼミ生ともご交流いた
だきましたが、当年で80歳とは思えない矍鑠とした御姿でした。

夕刻、九産大の諫見先生が立ち寄られました。今年の学外演習でご縁を
いただきました早岐茶市の前川先生とのプロジェクトが、その後進展し
ているとの嬉しいご報告。今週の日本建築学会全国大会(福岡大学にて
開催)では、指導下の学生諸君がその研究発表をするとのこと。また、
先月開催しました下関市旧英国領事館活用検討市民ワーキングにも指導
下の九産大学生3名が参加してくれましたが、その内容が諫見研究室7
月新聞に紹介されています。大活躍中の諫見先生の元気な姿がまぶしい
ばかりです。

明日は、午前中に天草大陶磁器展打ち合わせに天草・丸尾焼・金澤さん
が来訪されます。先週末、熊本・杖立で日比野克彦と一緒に明後日(あ
さって)朝顔プロジェクトのトークをしたばかりです。あいかわらず精
力的な動きです。秋の天草ほんどハイヤ踊りは10月6日7日ですか
ら、また参加してがんばるぞ、という面々はぜひ明日集合すること。

片山画伯のRKBラジオ生出演のお話はひまわりプロジェクトの意
義と今後の展開にかんするものでした。ソラリアでの展示はいよいよ2
9日まで。また、日本人初の招待作家として、成都ビエンナーレ展に行
くぞ、と元気を出したいただきたい壮行会は、8月31日(金)夜6
時~愛宕浜のわが家にて開催。片山先生と李成倫くんは御招待です。ぜ
ひ成倫君もバイトへ行く以前1時間ほどは顔を出してください。


追記1 札幌市立高専三木弘和先生率いるthetre I'am の筑後公
演・福岡公演(2回)はたくさんの観客を集め無事終了しました。内容
もオリジナルかつ普遍性のある戯曲を豊かな身体性を持つメンバーたち
が所狭しと飛び跳ね歌い踊り素晴らしい舞台となりました。また8月2
0日夜はわが八幡木鶏書院(八女市)にてめだか塾や八女市民との交
流、22日には筑後市民との交流、26日には芸工キャンパス多次元
ホールでワークショップを開催しながら、多くのファンとの交流を果た
して行きました。企画に携わったメンバーや交流した方々には深く感謝
します。今後、9月1日神戸公演を経て、地元北海道公演に戻って行き
ます。また、この公演観劇にソウルから張さんが飛んできました。久し
ぶりの再開。元気そうでなによりでした。

追記2 富山県利賀村で開催された今年の利賀インターゼミは無事終了
しました。参加学生諸君の相互交流や研究発表が意欲的に展開し、有意
義な集いになったと参加者からの連絡がありました。当研究室からは、
修士2年竹田舞さんが研究発表をしました。また、活水4年まり王子も
元気に発表していたとのこと。時間があれば利賀のレポートを定例ゼミ
でお願いします。来年こそは大挙して参加することとしましょう。

暑さ続きます。健康にはくれぐれもご留意のこと。藍蟹堂

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